プロジェクトデザイン

高校生向けのやさしい解説

学校の文化祭の準備を想像してみてください。誰が何を作るかという「やること」だけでなく、準備中にメンバーの間で起きている気持ちや関係も、文化祭という出来事の一部ですよね。プロジェクトデザインは、この「やること」と「起きていること」の両方をまるごと設計しようとする考え方です。普通のデザイン思考が前者に強いのに対して、後者にちゃんと言葉を与えようとしています。

やること(Doing)+起きていること(Being)を含む出来事の設計論。欠損駆動思考を中核概念とし、予測符号化の神経科学、精神分析(Bion, Klein)の臨床知、日本思想を横断する理論体系。

概要

プロジェクトデザインは、「プロジェクト」を単なるタスクの集合体としてではなく、Doing(やること)と Being(起きていること)の両面を含む「出来事」として捉える設計論である。

従来のデザイン思考が人間中心の問題解決アプローチとして Doing の側面に焦点を当てるのに対し、プロジェクトデザインは Being(感情、関係、意図)の側面を理論的に位置づけることを目指す。

コア概念

プロジェクトデザインの理論的基盤となる探索中の概念群。固定された体系ではなく、進化中である。

概念定義
欠損駆動思考棄却される誤差を、問いとして拾う態度
欠損予想と現実の誤差を、意識が「欠け」として捉えた主観的経験
抱持反射的に処理せず、誤差を問いとして保持する機能
情動の構成欠損が生存軸と信頼軸で評価され、情動として構成されるプロセス

デザイン思考との関係

プロジェクトデザインはデザイン思考を否定するのではなく、その射程を拡張する。

側面デザイン思考プロジェクトデザイン
焦点Doing(問題解決)Doing + Being(出来事)
不確実性への対処反復プロトタイピング抱持(問いとして保持)
感情の扱い共感(empathy、情動伝染・basic empathy の現象層)情動の構成間主観性構造層の両層を理解
他者認知の基盤ユーザー中心(観察・インタビュー経由の現象層)間主観性 用法A(他者構成の構造層)を前提
推論形式アブダクション欠損駆動思考(問いの発見)

デザイン思考と間主観性の層の違い

デザイン思考のユーザー中心アプローチは、共感(empathy)に基づき、二者間の同調——情動伝染 や SEP Empathy が言う basic empathy の層——を主に扱う。これは「現象層」に属する。

一方、プロジェクトデザインが前提にする間主観性(用法A: Husserl 超越論的)は、一つの脳の内側に備わった他者構成の構造層を指し、他者が物理的に現前していなくても作動する。発達階層としては「情動伝染(precursor) → basic empathy → 間主観性(構造層)」の関係にある(詳細は 間主観性 §定義)。

プロジェクトデザインは両層を統合し、Being の側面に言葉を与えることを目指す。

Love 駆動開発

Love 駆動開発は、プロジェクトデザインの実践論。関係・感情・意図が駆動する局面に名前を与える試みとして位置づけられる。

関連ページ