プロスペクト理論

高校生向けのやさしい解説

1万円もらう嬉しさと、1万円なくす悲しさ、どちらが強いですか? ほとんどの人は「なくす方がつらい」と感じます。カーネマンとトヴェルスキーはこの「損失回避」を数学的に示し、人間の判断は「今の状態からの変化」で決まると論じました。

概要

Kahneman & Tversky (1979) は期待効用理論では説明できない系統的な意思決定バイアスを記述するため、プロスペクト理論を提案した。3つの核心:

  • 参照点依存: 価値は絶対的水準ではなく参照点からの変化として評価される
  • 損失回避: 損失の心理的重みは同額の利得の約2倍
  • 確率加重: 客観的確率と心理的重みは非線形に対応(小さい確率は過大評価、大きい確率は過小評価)

書誌情報

  • 著者: Kahneman, Daniel; Tversky, Amos
  • タイトル: Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk
  • 雑誌: Econometrica, 47(2), 263-291
  • : 1979

PD との接続

参照点依存は欠損駆動思考の核心と共鳴する。欠損は「あるべき状態(参照点)からの乖離」として感知される。損失回避は「欠損への過敏性」の認知的基盤を提供する。PD における価値評価が文脈依存的であることの理論的根拠。