信頼と権力
高校生向けのやさしい解説
毎朝電車が時刻どおりに来ると「信頼」しているでしょうか? ルーマンはそれを「信頼」ではなく「あてにしている(confidence)」と呼びます。本当の信頼は「裏切られるかもしれないと分かっていながら、あえて相手に賭ける」ことだと言います。この区別は日常語では見えにくいけれど、社会の仕組みを考えるときにとても大事です。
概要
Niklas Luhmann (1979) は信頼を社会システムの複雑性縮減メカニズムとして位置づけた。社会は無限の可能性を持つが、信頼によって行為者は不確実性を縮減し、行為を可能にする。
核心的区別として confidence(代替選択肢を意識しない日常的依存)と trust(リスクを認識した上での能動的委託)を分けた。confidence の失敗は「失望」を生むが、trust の失敗は「裏切り」を生む。
書誌情報
- 著者: Luhmann, Niklas
- タイトル: Trust and Power
- 出版社: Wiley
- 年: 1979
PD との接続
ルーマンの confidence/trust 区別は、PD の生存-信頼軸と構造的に対応する。生存軸における「あてにしている」状態(制度的保証)と、信頼軸における「賭ける」状態(不確実性の受容)の質的差異を記述する枠組みを提供する。