一般計画理論のジレンマ
高校生向けのやさしい解説
数学の問題には正解がありますが、「まちづくり」には正解がありません。リッテルとウェーバーはこうした「解こうとしても定義すらできない問題」を「wicked problems」と名づけました。問題を解こうとする行為自体が問題を変えてしまう——だから永遠に「正しい解」に到達できないのです。
概要
Rittel & Webber (1973) は社会計画における問題の本質を「wicked problems」として定式化した。10の特性:
- 決定的な定式化がない
- 停止規則がない(いつ終わりか分からない)
- 解は真/偽ではなく良い/悪い
- 解の即時的・究極的テストがない
- 試行のすべてが結果を持つ(やり直しがきかない)
- 解の集合を列挙できない
- すべての wicked problem は本質的に一回限り
- すべての wicked problem は別の問題の症状
- wicked problem の原因の説明は多数あり、選択は主観
- 計画者は間違う権利がない
書誌情報
- 著者: Rittel, Horst W. J.; Webber, Melvin M.
- タイトル: Dilemmas in a General Theory of Planning
- 雑誌: Policy Sciences, 4(2), 155-169
- 年: 1973
- DOI: https://doi.org/10.1007/BF01405730
PD との接続
Wicked problems は欠損駆動思考が扱う問題の性質を記述する。「棄却される誤差を問いとして拾う」態度は、wicked problems を定義可能な形に矮小化するのではなく問いとして保持し続ける姿勢。抱持は wicked problems への耐性の心的基盤を提供する。Buchanan (1992) がデザインに接続したが、PD はそれをさらに欠損駆動思考の文脈で再解釈する。