デザイン的知のあり方
高校生向けのやさしい解説
理科は「なぜそうなるか」を探る。文学は「人はどう感じるか」を問う。ではデザインは? クロスは「まだ存在しないものをどう作るか」を扱う独自の知の領域だと論じました。デザインは科学でも人文学でもない「第三の知」なのです。
概要
Nigel Cross (1982) は、design を sciences(自然科学)や humanities(人文学)に並ぶ独立した「第三の教育領域」として位置づけた。科学は分析的・帰納的方法で自然世界を探究し、人文学は解釈的・批評的方法で人間経験を理解する。Design は構成的・アブダクティブな方法で人工物の世界を構築する。
この主張は後の designerly thinking 研究の基盤となり、デザイン思考の「第1層」(設計学的思考)の認識論的根拠を提供する。
書誌情報
- 著者: Cross, Nigel
- タイトル: Designerly Ways of Knowing
- 雑誌: Design Studies, 3(4), 221-227
- 年: 1982
- URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0142694X82900400
PD との接続
クロスの「第三の知の様式」は PD が目指す Doing(やること)と Being(起きていること)の統合と呼応する。PD は Doing を「構成的・アブダクティブな方法」として理解し、Being を「解釈的・現象学的な方法」として理解する。両者の統合がプロジェクトデザインの射程。