多次元アイデンティティ発達尺度(DIDS)日本語版
高校生向けのやさしい解説
「自分って何者だろう」という問いに、どれくらい取り組んでいて、どれくらい決めきれているか——それを測る心理学の質問紙があります。海外で作られた DIDS という尺度を、日本人にもちゃんと使えるように日本語へ翻訳して信頼性を検証した研究です。アイデンティティの探しかたには「じっくり探す」「ぐるぐる悩む」など複数の種類があり、それぞれを別の軸で捉えようとするのが特徴です。
概要
本論文は中間玲子ほかが2014年に発表した、Luyckx, K., Goossens, L., Soenens, B. らが開発した多次元アイデンティティ発達尺度(Dimensions of Identity Development Scale: DIDS)の日本語版に関する研究である。DIDSはエリクソンの心理社会的発達理論およびマルシアのアイデンティティ地位アプローチを継承しつつ、コミットメントと探索のプロセスをより多次元的に測定するために設計された尺度である。日本語版の作成と信頼性・妥当性の検証が本論文の中心的課題である。
注記: 本原典のPDFファイルはJ-STAGEメンテナンス中のHTMLページとして格納されており、論文本文の直接確認ができていない。以下の記述はcreation-spaceの調査報告(D23 発達心理学 report.md)に記録されたDIDSに関する情報に基づく。
主要概念
アイデンティティの多次元モデル(Luyckxらの枠組み) 従来のマルシアのアイデンティティ地位モデル(達成、モラトリアム、早期完了、拡散)を発展させ、コミットメントと探索を複数の次元に分解した。Luyckxらは2006年に探索とコミットメントの相互作用を測定する統合モデルを提唱し、2008年には「反芻的探索(ruminative exploration)」を加えた4次元モデルを拡張した。
DIDS(多次元アイデンティティ発達尺度)の構成 DIDSはコミットメントの形成、コミットメントの同定、広範探索、心構え探索、反芻的探索などの次元を測定する。これにより、アイデンティティ発達が単一の線形プロセスではなく、複数のプロセスが並行して進む動的なサイクル構造を持つことを捉えることができる。
探索とコミットメントのサイクル creation-spaceの発達心理学調査報告では、DIDSのサイクル構造が「生成パターンとしての発達」を支持する根拠の一つとして記録されている。発達段階を「一度通過したら次へ進む」と捉えるのではなく、「繰り返し起動される生成パターン」として読む根拠をDIDSは提供する。
アイデンティティ地位の5段階モデルとの対応 creation-spaceの調査では、DIDSは5段階モデル(場・波・縁・渦・束)との「部分的対応」として位置づけられており、全段階にわたって中程度の対応が確認されているが、対応が条件付きである点が記録されている。
書誌情報
- 著者: 中間玲子ほか
- 年: 2014
- 出典: J-STAGE掲載論文(発達心理学領域)
- access_status: raw-confirmed(注: 格納ファイルはJ-STAGEメンテナンス中のHTMLページ。論文本文の直接確認未了)
- オープンアクセス: J-STAGE