感情処理
(随時更新中)
はじめに
感情処理とは、感情を受け止め、整理や消化する、繰り返しのプロセスです。
私は、感情の流れや構造を、分子や電子のように、架空の「感情子」として捉え、心理学の概念や用語を活用しながら、禅の価値観を通じて内外の調和と成長を目指す取り組みとして活用します。
この流れは、生命活動における食事と排泄のように、感情を取り込み、内的に処理し、不必要なものを排出して新たなエネルギーに変える循環として例えることができます。
また、計算機に例えることもできます。私自身を関数とし、環境や対象を引数として取り込むことで、内外の値を相互作用的に更新していくイメージです。
このプロセスを探求することは、自分自身を深く理解し成長させる取り組みであると同時に、共感や心理的安全性、デザイン思考やアジャイルといったプロジェクトに必要な概念の深い理解に繋がり、結果としてサービスや市場の開発はもちろん、人生というプロジェクトや家族、組織の発展など、人が関わるあらゆる場面で応用可能なものとなります。
このページの内容は、PMBOK7の「2.2.4.4 対人スキル」に関連しています。
同じ頃、アメリカでは「心理的安全性」がチームの効果を高める重要な要素として注目され始めていました。まるで時代が同じ問いへの答えを共有しているかのような感覚でした。
参考:Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る
感情処理の流れ
プロセス | キーワード |
---|---|
入力 | 瞑想、情動伝染 |
処理 | 感情メタ認知、心理的境界、価値、受容 |
出力 | 解釈、慈悲 |
- 入力:
- 外部環境や人間関係から感情的な刺激を受け取る。
- 内面的には、自分の身体反応、違和感などを駆使して、感情や思考を意識下で認識する。
- 処理:
- メタ認知を活用して、感情を観察し、自分の反応を客観視する。
- 心理的境界を意識することで、他者と自分の感情を区別する。
- 出力:
- 処理した後の感情を排出する。
- 処理しきれないものが蓄積・漏洩(投影、行動化など)する。
私の実践
シンプルに下記の二つのことを意識しています。 たとえるならば、「光をあて、風で包む」ように。
- 「在る」
- 心や思考に在るものに気づく
- そのまま、ただ在る
- 「分ける」
- 曖昧なものを分ける(差異を明確にする)
- 分け合う(共有し、包み込む)
感情処理のキーポイント
瞑想: 整理する、リセットする、在る
瞑想は、感情処理を始めるための準備段階です。心をリセットし、内面を静かに見つめることで、自分の感情に気づくための土台を作ります。これは、散らばった意識を整え、ただ存在し、次のステップに備える役割を果たします。
情動伝染: つながる、取り入れる、分け合う
情動伝染とは、ある人の感情が自然に、そして多くの場合で意識の外で別の人に伝染する現象を指します。これは、コミュニケーションの最初の入り口ともいえる重要なプロセスです。
感情メタ認知: 気づく、知る、心の中を分ける・差異化する
感情メタ認知は、自分の感情を「外側から観察する」ように意識するプロセスです。自分が感じている感情を客観的に捉え、その意味や背景を理解することで、より適切な対応が可能になります。
心理的境界: 自他を分ける・差異化する
心理的境界は、自分と他者の感情を区別する力です。他人の感情と自分の感情との間に適切な距離を保つことで、状況を分析することが可能になります。
価値: 生まれる、見出す、分かる
私たちは、自他の多様な感情や、善悪、好き嫌いといった複雑な心の動きから「価値」を感じ取ります。この「価値」は、レーダーチャートのように多次元のバランスで存在し、これを定義し、評価することが重要です。
受容: 許す、在る、分け合う
感情を否定せず、その存在を受け入れること。それは諦念や忍耐に似た面もありますが、感情と共存することで心の平穏を得ます。信頼や自信を築く基盤にもなります。